【書評+図解】稼ぐ人が実践している お金のPDCA(著:冨田和成)Part1
こんにちは、スギヘイです。
今回は書評記事第2弾、こちらです。
最近PDCA本が増えてきましたが、その中でもお金にフォーカスを当てた本です。
著者は「鬼速PDCA」で有名な冨田和成さんで、証券会社で富裕層の資産を運用するプライベートバンカーを務めた方なので、資産運用のプロです。
それでは早速本の中身を見ていきましょう。
本の説明
稼ぐ人が実践している お金のPDCA
著者:「鬼速PDCA」の著者、冨田和成さんの最新刊
どんな本か
一言でいうと、「PDCAでお金を管理して、自分の目標を達成する本」ですが、そのアプローチがとても面白いです。
それは、自分の人生を一つの事業として考え、経営していく。つまり自分株式会社の経営者として、事業(人生)を考える。 そう考えると、企業経営の考え方を個人にも応用できるのではないか。そして、個人の富(お金だけではない)を増やしていく。
そのための考え方、方法論がたくさん書いてある本です。
どんな人におすすめか
- お金に不安がある
- 達成したいことがあるけどお金がネック
- 将来の資産形成・マネープランを考えたい
お金は目的達成のためのツール
100億円あったら何をするか?
唐突ですが、100億円が手に入って将来のお金にまったく心配することがない時にあなたは何をしますか?
仕事を辞めてのんびり過ごす
美味しい物を毎日食べる
世界中を旅行する
なかなかぱっと思いつかない人が多いのではないでしょうか。ここまで極端ではなくても、自分が達成したい目標やビジョンがあるかと思います。
でもその目標やビジョンにチャレンジできない理由として大きいのが”お金”です。
もうひとつは”時間”だと思います。
ただ、時間に関しては極論、お金で買えるので、やはりネックになるのは”お金”だと思います。
起業のような大きな夢だけにとどまらず、特定の場所への旅といった小さな夢に対しても、「お金の心配」にとらわれると、人生の選択肢は大幅に狭まっていきます。
ここの部分、個人的にめっちゃ共感できるんですよね。
お金がない=選択肢がない
これに尽きると思います。
自分は奨学金で大学に進学して、金融やファイナンスなどに興味を持ち、もっと大学院で学びたいなぁと思って進学も考えたのですが、大学の時点で奨学金の大きさが不安になり、進学はあきらめました。
あとは海外にも行ってみたかったし、色々やりたいことがあったのですが、結局ネックになるのはお金だったんですよね。
自分自身が描いた目標や夢を実現しようとする際に、「お金」が制約になってしまうことほどもったいないことはありません
これを避けるには、お金にまつわる不安を取り除くこと。お金に自分がコントロールされるのではなく、自分がお金をコントロールできるようになれば、こうした不安は一気に解消されていくはず
読者のみなさんも一度はこのようなお金がネックであきらめた経験があるのではないでしょうか。
お金をコントロールして不安を解消する。そして夢や目標を実現する。選択肢を狭めたくない。そんな思いが少しでもある方にはぜひ読んで欲しい内容です。
自分株式会社のCFO
それでは、どのようにお金をコントロールしていくのでしょうか。
私は常々、自分のお金の状況を改善したいなら、「自らを〝自分株式会社〟の代表、またはCFO(最高財務責任者)だと思って行動しましょう」と言っています。個人と会社である法人を並列に捉え、法人で行っている財務管理の手法を個人にも当てはめてほしいと考えているからです。
簡単に言えば、自分が経営者になったと考えて、経営していきましょうってことです。
会社も事業を通じてお金を稼いでるし、管理しているので、会社の方法やノウハウを個人にも転用しましょうってことですね。
イメージしやすいのは、会計だと思います。
企業であれば会計、個人に転用すると家計簿。
でも、家計簿は会計の一部でしかないのです。
通常、P/LとB/Sと聞くと、企業や組織の財務状況を知るためのものだと感じる人が多いのではないでしょうか。一方、これらの財務諸表を個人の資産管理に利用することで、大きなメリットを得られる事実を知る人は残念ながら少数派と言わざるを得ません。
また、P/LとB/Sの概念を下敷きにし、PDCA(Plan、Do、Check、Adjust)を実践しながらお金を管理すれば、一生涯にわたって稼ぐ能力も得られるのです。本書は、その能力を身に付ける方法について書かれています。
企業はP/LとB/Sでお金の状況を管理しています。
PL(損益計算書)=収益=フロー
BS(貸借対照表)=資産=ストック
個人版P/L
個人版PLに関しては家計簿をイメージするとわかりやすいと思います。
収益は所得と同義です。
会計・企業の考え方
収益ー費用=利益
家計簿・一般の考え方
所得ー費用=貯金
利益=貯金とイメージするとわかりやすいですよね。
※会計だと一年単位で区切っているので毎年の利益がしっかり計算されますが、通常の家計では区切らないので毎月の利益が貯金に積みあがってく感じです
個人版のP/Lは家計簿でイメージできますが、個人のB/Sはどうでしょうか?
お金に関する本はたくさんありますが、僕が見た中でこの個人のB/Sについて本格的に書かれた本はこの「お金のPDCA」ぐらいだと思います。
それはB/Sを個人に当てはめるのがなかなか単純にはいかないからです。
でもB/Sって資産を管理するから家とか車って価格もわかるし、把握しやすいんじゃないの?
たしかに家や車は中古市場があるので売った時の価格が計算しやすいです。
なので今の時点での資産価値が把握できますね。
さらに本書でも取り上げられていますが、今はメルカリで何でも売れるようになったので、言ってしまえば資産はメルカリで全て数値化できてしまいます。
1番の問題は無形資産をどう評価するかです。
会計では有形資産と無形資産で分けて管理をしています。1番分かりやすいのは会社のブランドとかですかね。
さらに重要なのがこの無形資産が収益に繋がる(収益を増やす)効果があるという事です。
先ほどのブランドであれば、ブランドを高めることで高い値段で商品を売ることができます。個人であれば自分のブランドを高める(例えば資格を取るなど)ことで年収を上げる事ができるかと思います。
意識が高い方はあまり意識せずに、この無形資産への投資ができているのではないでしょうか。
地方や世代が上の方に多い印象ですが、毎年の利益(貯蓄)で家を買い、車を買い、ローンを返済していく。このパターンを図式化したのがこちらです。
家や車も資産は資産なのですが、それを他人に貸したりしない限りは収益を生まない資産ですよね。
言ってしまえば消費して終わりです。
それと対照的なのが無形資産です。無形資産にお金を使うのを下の図で見てみましょう。
つまり預金や資産など収益を生まない資産ではなく、収益を生む金融資産や無形資産に貯蓄を使いましょうって話です。
貯蓄を使い収益を生む資産に投下することで収益を増やす。その利益が貯蓄に積み上がり、また資産に投下されて収益を増やす。
資産に投下する、そう、これが投資です。
(本当の由来は違うかもしれません。ググっておきます。)
金融資産を買うことだけを投資と考える人が多いと思いますが、無形資産に投資をしてキャリアアップを図り、転職や昇給などで収入を増やすのもいわば投資なのです。
自分に投資してキャリアアップするならみんなやってるし、新しい考えでもなく当たり前のことじゃないの?
まぁ平たく言えばそうなんですが、この本ではなかなか見える化が難しい無形資産を、会計的な考えを使って効果的に増やしていくのか、そしてP/L・B/Sを含めてお金のサイクルをどう管理していくのかが明確に書かれています。
お金のサイクル明確にして、お金の不安をなくすことで本来の目的やビジョンを達成してほしいという冨田さんの想いが詰まった本です。
次は具体的に無形資産の部分を見ていきたいと思います。それでは。